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良き人間になるためのチャレンジ100

2017WEEK1チャレンジ:批判しない not criticize others  四谷怪談お岩に学ぶ 2006年に書いた私のブログ

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このブログを始めた事を機に、過去自分の書いた記載をを振り返っている

10年以上も前に書いたモノだが

その時から私は何も変わっていなかった

暴走し、混乱し、もがいた挙句、自分を否定し、他者を避ける

 

当時、そんな私を諭してくれる人がいた

それが ”お岩さん”だ

2006年、前職を辞めた(事実上クビになった)際に、母に連れられ観る機会があった

今は亡き当時勘三郎さんの ”四谷怪談” だ

お岩さんは、家族を愛し、隣人を愛し、何があっても他者を受け入れ

決して批判せず、最後は愛した夫に裏切られ傷めつけられ死んでしまう

今日、改めて彼女の想いを、思い返す

彼女は不幸な最期であったが、素晴らしい女性だったのだと思う

学び直しの意味を込め 当時のモノを残します

 

長い戦いが終わり、仕事を辞めた。

後先考えず、パートナーと共に経営者にたてついた私たちは

事実上クビになった
退職日、経営者に呼ばれ私は言われた
”仕事っていうのはやりたい、やりたくないじゃあないのよ”

私たちは、少なくとも私は彼女が好きだったし彼女の作るものはどれも素晴らしい作品で
経営者の生き方も好きだったけれど
どおしても出来ないことがあった
けれど、私の現状を考えるとやればよかったのかもしれない
それが”仕事”なんだから
それで私たちは、それと引き換えの報酬をもらっているんだから

わかっていたけれど彼女の言葉は胸に”どすん”ときた
やっぱりわたしは”甘えて”いたのかも

ずっと相談してきた兄が私にいった
”おめーはいつも甘いんだよ。会社に食わせてもらってんだから言うこと聞けよ”
答えは私がもっと成長したらわかるんだろう
自分が間違っていたのか、それとも正しかったのか

 

そして先日、落ち込む私にママから

勘三郎さんのチケットあるからC(娘)と一緒に行きましょう” ママからのお誘いだった

BUNNKAMURAで先日まで公演されていた東海道四谷怪談だ
私は数年前歌舞伎座で観ていたのであまり乗る気がしなかったけれど
久しぶりの親子3人でのお出かけだったので渋々付いていった


歌舞伎座と違い小さい小屋の様なホールにフロントには大きな提灯が
”まみー今日はお岩さんどっからでてくるのかなあ”
と、辺りをきょろきょろしながら言う娘のC


そう、四谷怪談は観客を驚かせる仕掛けがあるのだ
客席の後ろから、横から出てくる出てくる
怖いけれど楽しい芝居だ
今回は小屋が小さい事もあり飛び出すお岩は控えめだったが
その演出の素晴らしいことといったら!


今回、いえもんさま~を演じたハシノスケの色っぽいこと!
日本一悪くて、冷血で、欲にまみれた色男代表イエモン


そしてお岩だ
彼女は子どもの頃からの”最も怖いお化け代表”だ
よれよれのグレーの着物に顔半分が腫れ上がりただれ
そしてあのポーズ 思わず拍手してしまった

日本の幽霊代表、いやアイコンだ


彼女が日本の幽霊のスタンダード、夏の風物詩を構築してきたが
ただ誤解ばかりが世間を騒がせすぎた
本当のお岩は人を無差別に驚かす様な女じゃあない


彼女は、ただ正直で一人の男を心底愛したやさしい女だ
最後の最後まで人を疑う事を知らなかった


あんなに分かりやすい、”女の全てをかっさらっていく悪い男” イエモンに騙され続けた
いや、騙されたふりをしていただけかもしれない


それは、彼女が父親にとても大事にされ愛されたからであろう

話が終盤にさしかかるとあの名場面が始まる
お岩の長せりふだ
彼女の抑え続けてきた感情が溢れ出す
せつなくやりきれない気持ちにさせるとてもとても悲しい場面だ
私は涙がとまらなかった

信じたものを何があっても守り続けるお岩を前に
何においても打算的で足したり引いたりばかりしてきた自分がみえた
こんな風に男を愛せるか、こんな風に生きれるか
自分は正しい、間違えているわけがないと
気が付けば、”絶対”という言葉をいつも吐いていた気がする
彼女のような生き方は決して利口ではない
彼女が友達だったらきっと私は言うであろう
イエモンなんてやめな!男なんか沢山いるじゃん!しっかりしなよお岩!”
”あんた絶対間違ってるよ!”と


勘三郎は見事にお岩を演じた
せつなく悲しく人間愛に溢れたお岩を
長い髪を櫛で梳くシーンは本当に怖い
最後は観客総立ちの拍手とアンコール
けれどこのお話にはきっといろんな”教え”があるんだろう
私はそう解釈している
”お岩の教え”だ
だからきっと長い間語り継がれてきているのだろう
特に女にとっては大事な話であろうとも思う
お岩を通し、自分の生き方を見つめなおす事だ
たとえそれが正しくても、間違っていたとしても

 

2006年4月28日